シンプルでなくてもそれはそれ
断捨離した、という友人の家を訪ねたら、やっぱりテーブルの上もキッチンからはみ出したおしゃれな調理器具の棚もぎっしりだった。そう、わたしたちはこうやって薄皮を剥ぐようにして減らしながら、暮らしの楽しみと人生の最小限の狭間を漂う。
ものに溢れる友人の家は、とても居心地がいい。溢れるもてなしの気持ちと、精力的な暮らしの形。
何もないことが優れているわけではない。ミニマリストが究極の形なわけではない。味わいつくせるなら、たくさんのものを持てばいい。
余白にホッとする人もあれば、自分らしいものに囲まれてこそホッとする人もある。
誰かに理想や理屈を押し付けることなく、自分らしくいられればそれでいいのだと思う。